HOME//請求のポイント
-
今後の生活を支える障害年金
請求のポイントを押さえ確実な手続きを
障害年金制度の仕組みや手続きは非常に複雑です。
「医師に診断書の作成を依頼して、それを提出すれば認められる」というものではありません。
障害年金請求のむつかしさや、請求にあたり注意すべきポイントを整理すると、次の通りとなります。
1.制度・仕組みが複雑
初診日や障害認定日が、障害年金認定の重要な要素となります。ただし、そのいずれも例外が多くあります。 請求方法も単一ではなく、額改定請求をする際にもさまざまな制約が伴います。
また、障害の程度の認定基準は、医学的見地に基づき定められているため、常識的な基準で障害程度を判断することはできません。
制度・仕組みは厚生年金保険法・国民年金法や政令・省令、さらには各種通達・通知に明記されていますが、これらの規程の種類は多岐にわたり、分量も膨大です。なおかつ、その変更も頻繁に生じます。この諸規程に精通すること自体が、極めてむつかしいといえるでしょう。
2.書類だけで審査される
障害年金の等級(1級~3級、障害等級外等)の決定は、日本年金機構本部障害年金業務部もしくは事務センターの、医師資格を有している障害認定審査会委員によって行われます。その判断材料は診断書等の請求書類です。委員が事前に請求者と面会・面談するということはなく、請求書類のみに基づいて決定されます。そのため、診断書に請求する人の症状が正しく反映されていることが、たいへん重要です。
3.障害年金に詳しくない医師もいる
障害年金請求のための診断書は8種類ありますが、その種類によっては記載内容が細部にわたるものもあり、医師にとって診断書の作成はかなりの負担となっています。その書き方について、厚生労働省による医師への研修・講習等も行われていません。障害年金の仕組みや診断書の書き方について、十分に知識を持たない医師がいるのも現実です。
「医師に一任すれば必ず適切な診断書ができあがる」と、楽観的には捉えない方がいいでしょう。
4.医師に日常の生活状況を伝える必要がある
診断書に障害の症状を正しく記載してもらうためには、日常生活での諸症状を「日常の生活状況についての申立書」と題して文書にまとめ、診断書の作成依頼時に医師に提出するのがいいでしょう。
5.一度提出した請求書類の訂正は困難
診断書はもちろんのこと、その他の請求書類(病歴・就労状況申立書、受診状況等証明書、年金請求書等) も含め、書類提出後にその内容を修正するのは極めて困難です。修正する場合にはそれなりの根拠がいり、請求書類間の整合性が保たれていることも必須です。そして、診断書の修正・加筆は、医師の手によってのみ成立します。そのため請求書類の作成・提出にあたっては、十分な吟味が大切です。
6.「行政機関」としての日本年金機構年金事務所
障害年金請求の審査・決定は、厚生年金の場合は日本年金機構本部障害年金業務部、基礎年金の場合は各都道府県の事務センターで行われます。各地の年金事務所の役割はあくまで「取次」であって、「裁定」(=決定)の権限は有していません。
年金事務所の窓口担当者は公務員に準ずる立場に基づき、書類に不備がないか点検を行います。ただし、 最小限の人数・経費で多件数の案件を処理していることも事実です。「公平・公正・効率に重きを置いて仕事をしている」といってもいいでしょう。障害年金の受給のための一般的なアドバイスは行いますが、請求行為を支援・代行する立場にはないことを理解しましょう。
以上のように、障害年金の請求には、さまざまな注意すべきポイントが存在しています。正しい知識を持たないまま手続きを進めると、取り返しのつかない事態に陥ることもあります。
いちからその制度・仕組みを理解するのは、とても時間のかかること。障害年金請求の際には、正しい知見を持った専門家に相談することをおすすめいたします。お一人で悩まずに、お気軽に当事務所にご相談ください。